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「プロダクトエクスペリエンス」は取扱説明書の情報を補足するためのもので、ユーザーのフィードバックや使用に関する注意やコツ等を紹介しています。
警告
- • この技術情報を参照する前に、関連する製品の取扱説明書をよく読んでください。ここにある補足情報を理解するには、まず取扱説明書に掲載されている情報を読み、理解する必要があります
- • ここで紹介する技術を身に付けるためには適切なトレーニングが必要です。ここで紹介する技術を実践する前に必ず、1人で安全に行う能力があることを上級者に確認してください
- • ユーザーの活動に関連した技術例も紹介しています。ここに紹介されていない方法もあります
ここでは、必要とされる技術レベルに応じて技術が紹介されています。
自分の能力に合った技術を選択してください。

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ユーザー
ユーザーの荷重
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クライマー
手
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要救助者
アンカー
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懸垂下降
荷重
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要救助者 + 救助者
小さな荷重
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墜落
ハーネス
補助アタッチメントホールへのコネクターの取り付け
留意点:



『プロトラクション』 P51A では、サイドプレートをロックするために補助アタッチメントホールにコネクターを取り付ける必要はありません。サイドプレートのセーフティキャッチがこの役割を果たします。ロックされていない時には、赤い警告表示が見えます。
ただし状況によっては、念のために補助アタッチメントホールにコネクターを取り付けることを推奨します:
– 可動式のアンカーにプーリーがセットされており、岩や壁面等との接触によりセーフティキャッチが損傷を受ける危険がある
– ユーザーから見えない場所にプーリーをセットしている
コードを使用して離れた位置から操作する

現場の状況によっては、『プロトラクション』を離れた位置から操作できると便利な場合があります。
固定サイドプレートとカムには、離れた位置からカムの操作を可能にするコードを取り付けるための穴が開いています。


まず固定サイドプレートの穴にコードを通し、それをカムの穴に通してからストッパーノットを結びます。
カムの動きを妨げないようにするため、ストッパーノットの末端は短くしてください。コードがカムとロープの間に挟まると、ロープがロックされない危険があります。
この操作は特別な注意と技術を必要とします。事前に状況のリスク評価を行ったエキスパートに限定されます。『プロトラクション』の状態を目視で確認できるようにするため、ペツルはコードの長さを 2 m 以内にすることを推奨します。

補足情報: 静荷重試験

以下の試験は、実験室内で新しいロープと器具を使用して行われました。注意: 試験において、実際に起こりうる全ての状況を再現することはできません。
警告:市場にある全てのロープで試験を行ったわけではありません。ロープによっては異なる試験結果が出ることもあります。
この試験結果はあくまでも参考情報です。実際にかかる衝撃荷重を想定する上での参考数値です。
最新のヨーロッパ規格(EN 1891 セミスタティックロープ、EN 892 ダイナミックロープ)に適合したロープと、スタティックロープ(ヨーロッパ規格不適合)の未使用の製品で試験を行って得られた数値です。
警告: 通常ロープは古くなると強度が低下します。
試験では、ロープの損傷が最初に確認されるまでゆっくりとした速度で荷重します。
警告: 動荷重試験(墜落による衝撃がかかる)においてロープが損傷する荷重は、多くの場合静荷重試験における数値よりも低くなります。フレーム荷重式のアッセンダーは、衝撃荷重を受けて止めるようにはデザインされていません。
|
静荷重試験 |
ロープの直径 | 外皮の損傷が始まる荷重 |
|---|---|---|
| 8 mm | 4.9 kN | |
| 8.5 mm | 5.5 kN | |
| 9 mm | 5.4 – 5.9 kN | |
| 10 mm | 5.7 kN | |
| 10.5 mm | 5.4 – 6 kN | |
| 11 mm | 5.3 kN | |
| 11.5 mm | 6 kN | |
| 12.5 mm | 6.4 kN | |
| 13 mm | 6.4 kN |
|
静荷重試験 |
ロープの直径 | 外皮の損傷が始まる荷重 |
|---|---|---|
| 7.7 mm | 5.1 kN | |
| 9.1 mm | 5.3 kN |
|
静荷重試験 |
ロープの直径 | 外皮の損傷が始まる荷重 |
|---|---|---|
| 9.5 mm | 5.1 to 5.3 kN | |
| 11 mm | 6.2 – 6.4 kN | |
| 12.5 mm | 5.9 – 6.3 kN |
緊急時の使用荷重
『プロトラクション』の使用荷重は 140 kg です。つまり1人用です。
レスキューにおいては、2人を同時に引き上げなければならない状況もあります。その場合、荷重が 200 kg に達する、もしくはそれを超える可能性があります。
そのような大きな荷重では、少しでも過度な動荷重がかかると、ロープが損傷するような強さの荷重につながります。(取扱説明書を参照してください)
よって以下のような対策が必要です:
– 引き上げられる2人のバックアップをとる
– ロープを常に張った状態にする: 少しのたるみが墜落の可能性を生じ、危険につながります。

EN 12278 規格の要求事項への適合について
『プロトラクション』は、登山用ロープクランプの規格 EN 567 の認証を受けています。
『プロトラクション』は、プーリーの規格 EN 12278 規格の認証は受けていません。その理由は、この規格とロープクランプの規格において、マーキングに関する要求事項で一致しない点があるためです。
ただし『プロトラクション』は、規格適合試験機関において EN 12278 に準じた試験を受け、その要求事項を満たすことが確認されています。EN 12278 に準じたマーキング及び書類上の手続きのみが行われていません。
