作業用システムが破断した場合、ビレイシステムにより墜落を止める必要があります。
警告
- • この技術情報を参照する前に、関連する製品の取扱説明書をよく読んでください。ここにある補足情報を理解するには、まず取扱説明書に掲載されている情報を読み、理解する必要があります
- • ここで紹介する技術を身に付けるためには適切なトレーニングが必要です。ここで紹介する技術を実践する前に必ず、1人で安全に行う能力があることを上級者に確認してください
- • ユーザーの活動に関連した技術例も紹介しています。ここに紹介されていない方法もあります
作業用システムが破断した場合に墜落距離を増加させる弛みが生じないよう、ビレイ用ロープをおもりの動きに追従させる必要があります。
引き上げのビレイ
引き上げの際のビレイには、特に技術的に難しい点はありません。必要なのは、用具の取扱説明書に記載されている運用荷重やロープの操作方法に従って、おもりのスピードに合わせてロープを引いていくことだけです。
ページ最下部にある落下試験結果を参照してください。
引き降ろしのビレイ
引き降ろしの際のビレイには、異なる2つの状況があります。
おもりにロープが引かれる状況でのビレイ
おもりにロープが引かれていく場合、ユーザーに必要なのは、墜落に備えながら適切にロープを送っていくことだけです。末端側のロープから手を放さずに、推奨されている握り方でハンドルを操作します。
墜落の際に有効に機能させるため、常に可動ブレーキプレートがロープと接している必要があります。ハンドルは、ロープを完全にではなく必要なだけ流せるように引きます。
人差し指でハンドルを操作し、残りの指でロープを保持してください。ハンドルを手全体で握らないでください。必要に応じて、もう一方の手で末端側のロープを保持してスピードをコントロールします。
おもりにロープが引かれない状況でのビレイ: ロープを送り出す
水平方向の移動等でおもりにロープが引かれない場合、ユーザーは墜落の際にロープがロックする状態を保ちながら、『マエストロ』からロープを送り出す必要があります。ここでは、ハンドル操作、末端側ロープの保持、必要なロープの送り出しの3つの操作を同時に行う必要があるため、非常に複雑な操作となります。ユーザーが1人の場合、取扱説明書および以下に詳しく説明する特別な方法で操作する必要があります。
右手でおもり側のロープを引いて弛みを作ります。
左手でハンドル操作と末端側ロープの保持の2つの操作を同時に行う必要があります。人差し指でハンドルを操作し、残りの指でロープを保持してください。
ハンドルを手全体で握らないでください。
墜落の際に有効に機能させるため、常に可動ブレーキプレートがロープと接している必要があります。ハンドルは、ロープを完全にではなく必要なだけ流せるように引きます。
ビレイ中に『マエストロ』の位置を安定させる方法
ロープが張られていない場合、使用中に『マエストロ』が動いて操作しにくくなります。
器具を安定させる方法として、補助アタッチメントポイントにユーザーがランヤードを接続して体重をかける方法があります。
注意: わかりやすくするため、下図では作業用システムを省略してビレイシステムだけを記載しています。
『マエストロ』を使用したビレイの際の落下試験
ビレイロープが弛んだ状況で作業用ロープが破断した場合、おもりはビレイシステムに荷重がかかるまで自由落下します。
長さ 3 m のロープで 60 cm の墜落試験を行いました。