ヨーロッパには高所作業で使用するヘルメットに関する規格がないため、ペツル社製ヘルメットは以下の2つの規格に準拠して作られています。
警告
- • この技術情報を参照する前に、関連する製品の取扱説明書をよく読んでください。ここにある補足情報を理解するには、まず取扱説明書に掲載されている情報を読み、理解する必要があります
- • ここで紹介する技術を身に付けるためには適切なトレーニングが必要です。ここで紹介する技術を実践する前に必ず、1人で安全に行う能力があることを上級者に確認してください
- • ユーザーの活動に関連した技術例も紹介しています。ここに紹介されていない方法もあります
EN 12492:クライミング、マウンテニアリング用ヘルメット |
EN 397:産業用ヘルメット
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異なる使用環境に対応するため、それぞれの規格に独自のデザインおよび性能に関する要求事項が設けられています。
規格に適合するには、デザインおよび性能に関する要求事項の全てを満たす必要があります。
しかしながら、両規格の要求事項には異なる部分があるため、両方を満たすことはできません。そのため、それぞれの規格に部分的に適合させることになります。
要求事項の主な相違点は以下のとおりです。
1. デザインに関する要求事項の違い
通気孔
EN 12492: 2012通気孔の総面積: |
EN 397: 2012通気孔の総面積: |
• EN 12492: 2012 の要求事項を充足: 『ストラト ベント』『バーテックス ベント』
• EN 397: 2012 の要求事項を充足: 『ストラト』『バーテックス』『バーテックス ベント』 (通気孔を閉じた状態)
あご紐の強度
EN 12492: 2012あご紐の強度: |
EN 397: 2012あご紐の強度: |
ヨーロッパ規則では、EN 397 は地上作業を対象とし、EN 12492 は高所作業を対象としています。
• あご紐『デュアル』を採用した『ストラト』『バーテックス』 (2019 年以降のモデル) は、作業環境で想定される危害要因に合わせて、強度を切り替えることができます (あご紐『デュアル』の技術情報を参照してください)
シェル内部の垂直方向のクリアランス
EN 12492: 2012 |
EN 397: 2012EN 397 の要求事項では、シェル内部における垂直方向のクリアランスは 25mm 以上です。 |
• この要求事項により、『ストラト』のようなライナー付のヘルメットは、規格に適合させることができません
2. 性能に関する要求事項の違い
衝撃吸収性能
この要求事項は、落下物からの頭部の保護を目的としています。
EN 12492: 2012衝撃荷重 F ≤ 10 kN |
EN 397: 2012衝撃荷重 F ≤ 5 kN |